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デジタルフォト・アルバム「おもいでばこ」の製品コンセプトから着想を得て2015年に制作されたコマ撮りアニメーション作品「Reflect on your life journey」。映像に登場するのはあるひとりの女性。ご両親の手によって大切に整理保管されてきたリアルなご本人の家族写真をモチーフに、誕生の場面から始まるその半生が収められています。

この映像を手がけたのは、「コマ撮り映像監督」の第一人者として知られる竹内泰人さん。美術大学在学中の2007年に制作した映像作品「オオカミとブタ」でブレイク。その後、日本マクドナルド、Honda、ユニクロなど数々の企業広告等も手がけ、2021年にはNHKの連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』のオープニング映像で、全国のお茶の間に知られるところとなりました。

本物の家族写真を使用することで、人間の成長や家族の喜びの表現にとどまらず、家族写真の大切な役割や価値についても気づかされる「Reflect on your life journey」。「家族写真の日」である10月23日にふたたびこの作品をみなさまにお届けいたします。写真を通してご自身の、そしてご家族の「人生」を振り返るきっかけになればと思います。

何年経っても色あせることのない傑作映像を生み出した竹内泰人さん。今回はそんな竹内さんに、当時の制作秘話や写真に対する思いに加え、デジタルフォト・アルバム「おもいでばこ」の感想などをお聞きしました。

Reflect on your life journey – “OMOIDEBAKO”


リアルな「人生」を描いたコマ撮り動画です!(外部サイト)

実在するひとりの女性の「人生」を、写真を手がかりにして「ストーリー」に

映像を作ることになったきっかけ

ーー最初に「おもいでばこ」のために映像を作ってほしいと言われた時、どのように感じられましたか?

当時、バッファローさんのほうで僕の「オオカミとブタ」っていう、写真を主人公にした作品を見てくださって、それで僕のところに依頼をくださったので、単純に嬉しかったですね。写真をコマ撮りにするっていう手法自体、まだまだやれるものがあると思っていたので、いい機会をもらったなと思いました。

ーーこの作品は主人公の女性のこれまでの人生を写真だけで1つのストーリーにされていますが、これだけ写真を持っている方を探すのは、なかなか大変だったのでは?

おっしゃる通り、これまでの人生分、途切れることなく写真を持っている人が見つからないとできない企画でした。そんな方に出会えるのか不安を感じつつも、「まずは探してみましょう」ということで、写真をたくさん持っていて、ぜんぶ提供してくれる方を探すオーディションを行ったんです。

そうしたら8人くらいの応募があって、僕のところにそれぞれのアルバムが届いたんです。缶にいっぱい入っている方や、ちっちゃなアルバムに入っている方など、いろんな形で届いたんですけれど、その中で、今回主人公になった女性の方はアルバムのボックスが圧倒的な数で届きました。たぶん15箱くらいあったのかな。とにかく他の人と比べると何倍も多く、写真も十分にそろっていたので、「この方でいきましょう」って即決でした。この出会いがなかったら、全然違う作品になっていたと思います。

ーーどういった経緯で、このストーリーのアイディアを思いついたのでしょうか?

アイディア出しは、僕は基本、必死になってやっているんです。「今からアイディア出すぞ!」って。散歩中に考えるとか、まったく無理なんですよ。だから普段は喫茶店や自分の家などで、ノートを開いて、ペンを持って、それだけに集中して考えています。

ただ、今回の「おもいでばこ」の映像に限って言えば、提供してもらった写真を見ながら構成を決めましたね。海の写真を見つけたから、水の写真を下に敷いてみようとか、プールの滑り台を滑る写真があれば、「ランドセルで滑ればいいじゃない?」みたいに。そんな感じで、「しっくりくる」ものを選んでいって、ひとつのストーリーにしていきました。

生活感を出すために、自宅を撮影スタジオに

ーーこの作品では、自宅を撮影スタジオとして使っているのですね。

はい、やはり「おもいでばこ」は家で見るものですから、「家」をテーマにしたかったので。でも、生活感のあるハウススタジオってなかなか無いんですよ。だから自分の家で撮影して、小道具だけ美術会社さんからレンタルしたり、家具を買い足したりして撮りました。その写真の時代に合わせた小道具をまわりに置いています。また、子どもの頃の写真は白い縁を入れるなどこだわっています。

ーー何度見返しても、新しい発見がありますね!流れるBGMも素敵ですが、これは納品直前に差し替えたものだとか。

そうなんです。もう少ししっくりくるものがあるんじゃないかとずっと心のどこかに引っかかるものがあって。当時は南米に仕事でいたんですけど、なんとか通信環境が整う場所を探して、本当にギリギリなタイミングで新しいBGMに差し替えて、映像のタイミングもBGMに合わせてすべて調整したバージョンで提出し直しました。完成が締切の前日だったので、お好きなほうでどうぞって(笑)。「差し替えたほうのバージョンでいきましょう」って連絡をいただいたときはやった!と思いました。

ーーこの映像のリリース後、反応はどうでしたか?

知り合いに見せたら、すごく反応が良かったですね。作り物じゃないリアルな人生を描いているので。それはやっぱり、パワーがありますよね。今でもこういう、本物のひとりの人生を追った映像って唯一無二なんじゃないですかね。

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写真を撮ることは、思い出を貯金すること

竹内さんにとっての「写真」とは

ーー思い出を「写真に残しておく」ということについて、竹内さんはどのように思われますか?

僕は写真って「思い出貯金」だと思っていますね。将来、子どもに渡す「ギフト」にもなるし、自分に返ってくる「ギフト」にもなるのかなあと。

子どもにとっては、「たくさん写真がある」ってことは、親の愛情の表れでもあるし、それが子どもの自己肯定感にもつながっていくと思うんですね。明確には言われなくても、「あ、愛されていたんだなあ」って分かるし、その瞬間、自分がそこにいた存在の証明でもありますよね。


子どもの頃の記憶って、自分もそうですけれど、ほとんど忘れてしまうじゃないですか。でも写真があれば、「あ、自分ちゃんと生きていたんだ」ってわかる。これがけっこう、自己肯定につながっていくと思うんですね。

だから僕自身も、たくさん写真を撮っていますよ。2人の子どもがいるのですが、上の子は撮ろうとすると「とっちゃだめー!」って言うんですけれど、心の中で「撮らせなさい、お前の自己肯定感を貯めておくんだぞ!」って思いながら(笑)。

リビングのテレビで見るから、家族の「絆」も深まる

ーー「おもいでばこ」を使ってみて、お子さんの反応はいかがでしたか?

この間、新型の「おもいでばこ」で実際に写真を見てみたんですけれど、見返しているときは楽しそうでしたね。

上の子は旅行の写真を見て、「あの時はこうだった」とか、自分で喋り出していましたし、楽しかった思い出を復習している感じですよね。

僕は出産に立ち会ったので、下の子の産まれたての写真とかも入っていたんですけれど、それを上の子が見て「へえー、こんなんだったんだ」とかって。貴重なシーンが共有できて、家族の絆というか、重みも増すと思います。

あと、パパ的にも嬉しい製品ですよね。基本的に普段の子どもの写真って、ママがスマホで撮って、ママと子どもだけで見る、みたいなことが多いのですが、そこが「おもいでばこ」だと、テレビで全員が見られるし、画面も大きいし。そこはすごく良いなと思います。

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「コマ撮りアニメーション」というジャンルを普及させたい

今は仕事で手一杯なんですけれど、これからはもうちょっと、コマ撮りの普及活動に力を入れていきたいと思っています。

とりあえず考えているのは、コマ撮りの作り方の冊子を作って、小学校とか向けに頒布することです。「コマドリル」という自分のWEBページもあるんですけれど、これをベースに本を作ってみたいですね。

ほかにも、「創りたい人を助ける」みたいな活動はどんどんやりたいですね。今はCG全盛の時代ですけれど、コマ撮りならではの強みというのはあると思うので。そこからまたプロが育ってきて、世界が広がっていくのが楽しみです。

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※「家族写真の日」は、一般社団法人・日本おひるねアート協会が制定し2020年に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録。

Profile of 竹内泰人

1984年愛知県生まれ。学生時代に制作した自主制作『オオカミとブタ』が、YouTubeの10日間の再生回数100万回を突破し、世界中で話題になる。 その後、CMをはじめとした数多くの広告映像を手がけ、2011年にはコマ撮りのHOWTO本『つくろう! コマ撮りアニメ』(ビー・エヌ・エヌ新社)を出版。日本を代表するコマドリスト(コマ撮り監督)として活躍中。シャチハタ「Xstamper 50th スペシャルムービー」は2016年国内外の広告賞を多数受賞。NHK連続テレビ小説第105作『カムカムエヴリバディ』のオープニングタイトル映像の制作を担当。kirameki所属。