パパ目線で語る!写真を通した子どもとのコミュニケーションのとり方とは? 写真整理協会主催「パパさんズの写真談義」開催レポート

パパ目線で語る!写真を通した子どもとのコミュニケーションのとり方とは? 写真整理協会主催「パパさんズの写真談義」開催レポート

2021年11月23日、一般社団法人写真整理協会が主催するオンラインイベントが開催されました。今回は、第2部のトークセッション「パパさんズの写真談義」の模様をレポートします。

はじめに今回、トークセッションにご登壇されていた方をご紹介します。

◆小崎 恭弘さん

子育てとアルバムの研究家。保育士、三人の男の子の子育ての経験から「父親の育児支援」の研究中。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等にて積極的に発信を行い、多数の著書も出版。

◆加藤 雄一さん

認定こども園で保育の仕事をしながら、2人の子どもを子育て中のパパ。
笑顔写真家 「えがお先生」として、子どもの写真の撮り方をNHKのEテレなどを通じて伝えている。写真が親子のコミュニケ-ションにとても有利だということから、「写真子育て」ということを広めるために活動中。
笑顔写真家 えがお先生▶https://egao-design.jp/sensei/

◆佐藤 秀明さん

カメラ専門店「サトーカメラ」で勤務している、2児のパパ。 写真先生系YouTuber「オート先生」として動画配信も実施。店頭に立ちながら、子どもの写真の撮り方はもちろん、写真を撮った後の整理の仕方についてアドバイスを行っている。

◆林  茂行さん

生前整理普及協会副代表。生前整理は、亡くなる前の整理、というイメージがあるが、
そうではなく、「今の自分と向き合うことで、人生が前向きになり、生きる意欲が高まる」との考え方を普及するため活動中。

◆大村 信夫さん

普段は某家電メーカーに勤務しながら、共働きで3人のお子さんの育児をしているパパ。整理収納アドバイザー1級をもち、「片付けパパ/片付け部長」代表という肩書で、片付けを切り口にした講演や研修を実施。サラリーマンと並行して、講師活動などの複数の仕事をし、パラレルキャリアを実践。その経験を活かし、パラレルキャリアの研究やそれを世の中に普及していく協会の理事でもある。

◆根本 将幸さん

BUFFALO社で、マーケティングや「おもいでばこ」などの製品企画・開発を担当。2人の娘のパパ。
 

◆写真整理協会代表理事 浅川純子さん(ファシリテーター)

 

子どもが写真を好きになる、それぞれのパパの取組み

トークセッション初めのテーマは、「撮る」ということについて。
普段から、写真を「撮る」ことの活動をされている方ならではの、子どもの写真の撮り方などのお話がありました。

基本でありながら気づいていない人が多い、写真を撮るときに気をつけたいポイントとは?

「えがお先生」の加藤さんは、「写真を撮るときに、1番言ってはいけないことは何か?」と視聴者に問いかけました。
その答えは、「はいチーズ!」。
これは、“一番言ってはいけない呪文の声かけ”とのことです!

加藤さん:『「はいチーズ」「じっとしてて」「そこ立って」などと一方的に高圧的に言われると子どもは笑えないし、それを積み重ねると、「写真はつまらない」「親から撮らされるもの」と思われちゃうことが多いと思っています。』

また、普段カメラ専門店で実際にお子様の写真も撮られている佐藤さんは、続けて、
『写る相手を笑顔にしたい、というのは共通の認識だと思いますが、「笑ってよ」などの一方的な声かけは効果的ではないというのは、えがお先生に同感です。
また、もっと思っていることがあって、「笑って」と声をかける側のカメラマンの顔が怖いんです、、!』

これには登壇者一同、笑って同意していました。

佐藤さん曰く、
『写真を撮るときは、私も一緒に遊ぶんです。こちらが「あはははは!」と笑うと、子どももつられて笑うので、そこはシャッターチャンスですよ。』とのこと。
子どもの笑顔の写真を撮るためには、撮る方も楽しい気持ちでいることが大事なんですね。カメラを構えた時の顔は意識していかなったので、新たな気づきになりました。

写真を撮るのは親だけの役目じゃない。子どもとカメラをもって出かけよう

また、パパさんだけが「撮る」立場ではなく、「子ども」に撮る体験をさせていらっしゃる方もおり、写真の楽しみ方はたくさんあることを改めて感じました。

普段から様々な活動を行っている大村さんは、「親子写真部」という活動も行われており、
他の登壇者の方々からも、その活動がとても良い体験だと賛同の声が上がりました。

大村さん:
『「親子写真部」といって、子どもと一緒に出掛けたときに、子どもにカメラを渡して、自由に撮ってもらっています。

子どもの目線からの写真は、意外と面白くて、子どもが撮った写真を見ることは子どもの興味関心を知る良い機会になっています。また、写真には正解・不正解がなく、どこか褒めるところがあるので、その点を伝えることで、子どもの自己肯定感を上げることにもつながっています。』

また、子どもにカメラやスマホを渡すのはためらってしまうことに対して、佐藤さんは、
『水辺では使わないなど、約束事を決めて渡してあげるのがいいと思います。また、使い捨てカメラ(レンズ付きフィルム)を持たせる親御さんもいます。先日、お子さんが撮ったものを現像しに来られたご家族がいたんです。写真をお渡しすると、その場で写真を囲んで「こんなの撮ったんだね!すごいね!」と盛り上がっていました。そんなご家族の表情や雰囲気はとてもいいなと思いました。』と話していました。

写真は、子ども目線を知ることができ、親子のコミュニケーションツールにもなり得ることを知り、新しい側面を学ぶことができました。

写真は家族が幸せになるためのもの。その本義を忘れない

パパさんそれぞれの撮り方のコツや「撮る」活動のお話を受けて、小崎さんは、
「パパは、作品として完璧なものを目指しがちです。自分が良い写真を撮りたいがゆえに、子どもをモデル化してしまい、強制させたりしてしまうんじゃないかと思いました。
子どもが写真を嫌いになるのは、パパのそういった行動や関わり方が一因になっているんじゃないでしょうか。
写真は、家族が幸せになるためのものなのに、「パパの趣味のための子ども」にはならないように気を付けないといけませんね。」
と話されていました。

パパさんだけでなく、だれもが、子どもの笑顔を撮りたいものだと思います。そこに必死になりすぎると返って逆効果で、いかに一緒に楽しんで撮るかが、素敵な写真を撮る鍵なのだと感じました。

撮った写真を「見る」こと。そこに本当の写真の価値がある

写真を「撮る」ことについてのお話のあとは、「写真は見てはじめて価値が出る」というお話に。ファシリテーターの浅川さんは、『写真を「見る」ということが忘れられがちで、実情としてあまり行われていないことに気づき、写真整理協会を立ち上げました。「撮る」ことの楽しさと、その先の「見る」ということを回していくことが、本来の写真の姿だと思っています。』
と語っておられました。

思い出の写真を見返す家族の時間をつくる

「おもいでばこ」の中には約30万枚の娘さんたちの写真が入っているという根本さん。
『2010年の12月くらいから初代の「おもいでばこ」を使っていて、「おもいでばこ」と一緒に娘たちが育ってきたという感覚』とのことです。

※とてもかわいらしい娘さんの幼い頃の写真も投影され、とても和やかな空気が流れました。

とても多くの写真を撮られている根本さんは、
『写真の基本は、「見ること」。子どもが、自分が撮られた写真を見たりすると、後からこうやって見返すなら、撮られるときに、自分が笑顔の方がかっこいいな、かわいいな、という学習の体験から、無意識なのか、意識的なのか笑顔になるんじゃないかと思います。
また、私も撮ってみたいという、自発的な感情が湧き上がってくるんじゃないかと思い、それを大切にしています。
旅行後の写真などは、家族それぞれが撮った写真を見返すことで、「また行きたいね」といった親子の会話が生まれ、また次の旅行の計画につながるなど、サイクルが回っていきます。
それが、家族にとって写真の良い取り組みなんじゃないかと思っています。』と話されていました。

写真を見返すのに役立つ「アルバム」、パパたちのアルバムの楽しみ方

少し前までは、カメラで撮った写真を一枚一枚現像し、それをアルバムにまとめるという作業がありましたが、デジタル化が進んだ今では、スマホやパソコンにデータが眠るばかりで、見返す機会が少なくなっている気がします。
そんな中でも、写真が身近な存在である登壇者の皆さんは、写真を撮った後は、アルバムを作るところまでを、一連の写真を楽しむ作業とされている方が多い印象でした。
「アルバムがどんな役割を持つのか?」という根本さんの問いかけに対し、パパさんそれぞれの意見をもたれており、様々な考えに触れることができました。

根本さん:
「アルバムの役割って何だと思いますか?」

小崎さん:
「人生の節目の、例えば、結婚や子どもが生まれたときなど、自分の心が大きく動いた際の感動を残したいと思ったときにつくるものかなと。」

加藤さん:
「アルバムは、子育ての喜びをシェアして広げていくものだと思っています。
自宅のリビングにアナログのアルバムをいつでも手に取れるように置いていますが、そうすると、子どもが手に取ることもありますし、家に来てくれた人たちが手に取ってくれて一緒に見る機会が増えます。アルバムは、子育ての楽しみを家族だけではなくていろんな人とシェアできるものだと思っています。」

佐藤さん:
『写真は思い出に残したいから撮るものですが、特にこの時代は、写真の量が膨大になってきていて、アルバムにするための写真選びが必要になります。
「どの笑顔がいいかな?」「集合写真はどれがいいかな?」と、普段当たり前に見ている家族の表情などを改めてよく見ることで、その写真に“思い入れ”ができ、“思い出”がさらに深まると思います。
写真に写っているもの自体も“思い出”ですが、アルバムは作る過程も含めて、“思い出”と“思い入れ”が詰まったものなんじゃないかと思います。』

大村さん:「アルバム作成は料理に例えられるんじゃないかと考えています。写真を撮る行為は、料理でいう材料を集める事。そこでどうやって他の人にも自分にもおいしく味わえるようにするのか、という料理のところがアルバム作成なのではないかと思います。」

根本さん自身は、『本来のアルバムの役割は、「家族で決めておく、写真の保存場所」』と話します。
ただ、そこには、現代ならではの課題があるといいます。それは、
『「データ管理が面倒」、「管理したくない」、ではなく、「データの管理がわからない」という方が多い、ということ』
こういった課題に対して、『「おもいでばこ」で、見て楽しむ。写真データを入れるだけで、時系列で整理されるので、アルバムにしたり、プリントしたりしてもらえれば。』とのことでした。

写真を解放し、周りの人と共有をする

最後のトークテーマは、「写真活用」についてです。

生前整理協会の林さんは、ご自身の活動ならではの視点から、「写真活用」について語られました。
林さん:
『生前整理で一番困るものは、写真。たくさんの写真があっても、見返すこともなく、結局捨てられてしまいます。しかし写真は人生を記録した、生きてきた証なので、捨てられてしまうと、その人のルーツを後の世代が辿ることができなくなってしまいます。

写真整理は心の整理だと考えています。撮った写真を家族で見返す「写真で語ろう!」という活動をしていますが、いかに写真を家族間という開かれた環境で見られるか、思いを共有できるかが大事だと思います。写真と向き合うことで、生き方、思い出、考え方、感情、価値観といった、自分そのものが見えてくると思い、活動を続けています。』

パパさんそれぞれの「写真」の活用方法

小崎さんからは、写真は、「保育園と保護者をつないで、子どもの共通理解をするための重要なアイテム」だという教育者的観点のお話や、加藤さんからは、家族やペットの写真を用いた、LINEのスタンプの作成というユニークなアイデアも出ていました。

最後に、根本さんからはこんなお話がありました。
「スマホの中の写真は、自分のアカウントだけでしか見ることができません。そのアカウントから排除されているのは、実は子どもたち。撮られている本人たちがその写真を見られないのは、とてももったいないことだと感じています。アカウントに閉じ込められた写真を解放することで、子どもたちが自由に写真を見られるということが大事だと思っています。」
これには登壇者の皆さんも共感されていました。

スマホで写真を撮るようになってから、写真が個人のものになってしまい、シェアすることが減ってしまっていたことに気が付きました。写真を周りの人たちと共有することで、その時の思い出や感情を一緒に体験することがよりよい写真の活用方法なのかもしれません。

パパさんたちのトーク内容を受けて

このイベントでは、様々な分野で活躍されているパパさんだからこそ、それぞれの知見やお考えをたくさん聞く機会となりました。
写真を「撮る」「見る」「活用する」この一連の流れがあってこそ、写真本来の力が発揮されるのだと感じました。

まだ、写真を「撮る」ことだけで止まってしまっている皆様も、それ以降も実践されている皆様にとっても、なにかヒントとなることがあるのではないでしょうか。

ぜひ、写真を普段の生活にもっと取り入れてみてください。

nerona
一般社団法人 写真整理協会
一般社団法人パソコープの写真整理アドバイザー制度(2015年7月~)を母体とし、2018年10月発足。大切な思い出のたくさん詰まった紙やデジタルの写真を、アナログからデジタルへ、デジタルからアナログへ、と思いを形にするお手伝いをすることで、ひとりひとりの幸福な体験を写真整理アドバイザーと共に実現するための団体です。写真を整理するために必要な多岐に渡る知識を、研修を通して学ぶことができる各種認定資格講座を開講しています。