【写真整理協会 寄稿】「おもいでばこ」で行うデジタル写真の仕分け方法と整理術

 2024年1月末に「おもいでばこ」がアップデートされました。かんたんに写真を振り分ける機能や、アルバムのグルーピング機能の搭載など、写真の整理機能が強化され、より使いやすくなりました。一方、いざ写真を整理しようと思っても、どのような考え方で写真の整理を進めていけばよいのか迷うことも多いのではないでしょうか。

そこで、今回は写真整理のプロフェッショナルである写真整理協会さんにお願いし、「おもいでばこ」の新しい写真整理機能を活用した写真の仕分け方法と整理術について教えていただきました。


 スマホで大量に撮影され、そして保存される写真や動画。スマホをクラウドサービスと同期することで、(コストの問題を別にすると)どれだけ保存しても困らなくなりました。ただ、その一方でただ保存されただけの写真は、実際には不要なものや似通ったものも多く、見返しづらいという課題があります。

 iPhoneの写真アプリやGoogleフォトによる自動提案機能によって、”ベスト写真”や”1年前の今日”といった写真をスマホが自動で生成して、それを眺めることで思い出を楽しむことも当たり前になってきました。クラウドサービスに写真整理を任せきってしまえば一見楽なようですが、写真は増え続けます。

最終的にそれらの写真の処遇をどうするのかを考えてみてください。整理を実施するか、観ずに一気に削除を行うか、もしくは判断を先送りし、データの大量化に伴いコストが跳ね上がるクラウドサービスの利用料を払い続けるかを迫られることになってしまいます。

 写真による思い出は、アプリから自動提案してもらうだけで本当によいのでしょうか?撮影した本人にしか分からない大切なものもあるはずです。この辺りが写真整理の難しいところでもあり、楽しいところでもあります。

2024年1月、「おもいでばこ」の写真整理機能を大幅に強化するアップデートが行われました。新たに搭載された「振り分けモード」を使うと、自分や家族の大切な思い出を、手軽に自分自身でしっかり管理できます。また、「アルバムグループ」によって沢山の「アルバム」をまとめることが出来るようになり、一覧性が良くなりました。収めた写真がカレンダーやおもいで散策に表示されなくなる「非表示アルバム」機能を利用することで、プライベートの写真と家族で共有する写真を分けることもできるようになっています。

今回は「おもいでばこ」に新搭載された写真整理機能を活用し、写真整理協会が提案している写真データの仕分けと整理術を皆様にお伝えします。

目次

写真整理のステップ1、 まずは要る?要らない?から

 写真と一言で言っても様々な写真があります。仕事のメモ、家族のスナップ、仲間や同僚との食事、趣味の写真など。これらは写真の目的も様々ですし、1枚の写真が複数の目的を持つ場合もあります。

 スマホの中にはこれらの写真がどうしても混在してしまうので、見返しづらく探しにくい状態になっています。
用済みのスクリーンショットやメモ代わりの写真、同じシーンを複数枚撮っている場合など、写真を見て今後は不要と感じたら、まずゴミ箱機能を利用して削除します。

「おもいでばこ」に送信する前ならスマホ上で整理した上で、それから送信でも良いですし、おもいでばこにまとめて送信した上で、おもいでばこのゴミ箱機能を利用しても良いでしょう。

なくしたくない写真=大切な写真を「お気に入り」マーク 

 「大事なシーンだから」「面白かったから」「念の為に」など、撮影理由様々です。その写真を「なくしたくないかどうか」を考えてみましょう。

 スマホの写真の場合、「お気に入りマーク」をつけることをおすすめしています。ワンクリックで簡単に「お気に入り」というアルバムを作れるので、そこに入っている写真は大切!とわかりやすいです。
「おもいでばこ」もスマホと同じように「お気に入りマーク」をつけることができます。

リモコンで黄色の星ボタンを押すと選んだ写真にお気に入りマークがつく。

この方法は写真を分けるという意味で、とても簡単ですが、これだけだと「お気に入り」の中には家族の写真、趣味の写真など様々な写真が入った状態。さらに写真を探しやすく、見やすい形にするため、仕分けをすることが必要です。

※「おもいでばこ」に新しく搭載された振り分けモードを利用すると、「お気に入りマーク」をつけることと、ゴミ箱へ移動する操作が振り分けモード内でまとめて行えるようになっています。

その写真は誰のもの?家族写真とプライベートな写真

写真の仕分けを行うときの目線として大切なことは、その写真は誰のためのものなのか?ということです。自分だけのものなのか、家族全員のものなのか。友達と共有するものなのか。一時的なメモなのか。

写真>家族写真
     >家族それぞれ・ペット・旅行・・・
   プライベート写真
     >趣味・友達・仕事・SNS用・・・

といったように、一般的には家族とプライベートに大きく二種類に分けることができます。

「写真のゴール」を見据えた仕分けで、うまくいきます

 写真データはただそこにあるだけでは、中身を見ることはできません。開くだけで手軽に見返すことができるよう、子どもや親へのプレゼントとしてアルバムにしたいかどうかといったこともポイントになります。
 そのようにカタチにしないまでも、よく見たり、見せたかったりするものなどは、「おもいでばこ」のアルバムで仕分けておくと便利です。

写真のゴール①:アルバムやフォトブック作りを見据えた仕分け

 家族写真は、プリントしてアルバムにしたい方も多いのではないでしょうか。また趣味の写真をまとめて写真集ライクなフォトブックを作るということもあるかもしれません。

写真整理協会では写真のゴールとして、アルバムやフォトブックといったカタチも大切に考えています。見返しやすさはもちろん、データ破損への備え、コミュニケーションのきっかけとなるからです。
 ですので、そういった写真のゴールを見据えたうえで仕分けることはとてもおすすめです。

 子どもの写真なら、例えば「子どものアルバム作り用写真データ」としてまとめておくことがおすすめです。あなたにお子さんが何人かいる場合なら、子どもごとに分けておくこともできます。

写真>家族写真>一郎アルバム用(長男)
       >花子アルバム用(長女)


「おもいでばこ」のアップデートにより、「アルバムグループ」を作れるようになりました。この機能を利用して、さらに「一郎アルバム用」は学年ごとに仕分けたり、内容によって分けても良いですね。

     >一郎アルバム用(アルバムグループ)
            >一郎小1アルバム
            >一郎小2アルバム
            >一郎サッカークラブ                                

 旅行によく行かれる方などは「旅行」のアルバムグループを作ると便利です。

  >旅行(アルバムグループ)
       >2017年箱根旅行
       >2018年カナダ旅行

「アルバムグループ」を使うと、あらかじめ作った複数のおもいでばこアルバムをまとめることができる

「おもいでばこ」のアルバム機能では、同じ写真を「一郎アルバム用」と「花子アルバム用」の両方に入れることもできます。兄妹が二人とも写っている写真などはそうしたいはず。この仕分けはパソコンのフォルダでの分類では厄介です(できなくはないですが、写真データをコピーしてそれぞれのフォルダに入れる必要があり、管理が難しくなります)。アップデートで搭載された写真データを自由に振り分けられる「振り分けモード」を使えばとても簡単です。

アルバムといったカタチに残したい写真はお子さんの成長記録だけではないでしょう。家族旅行だけをまとめる、自分の頑張り記録として毎朝作っているお弁当をまとめるということもあります。そういった「写真のゴール」を思い描いて、自分なりの仕分け方を考えてみると良いと思います。

写真のゴール②:カタチにしないまでも・・・見たい、見せたい

 ゲームのスクリーンショットでフォトブックを作るといった方もいらっしゃいますが、カタチにしないまでも、自分でよく見るもの、友達などによく見せるものをテーマ別により分けておくと便利ですね。それもひとつの写真のゴールと言えます。

 プライベート写真の中でも「特に大事なもの」と位置付けられるではないでしょうか。

  • 友達との会食
  • SNSに投稿した写真
  • 推し活の写真
  • ゲームのスクリーンショット

こういった写真のくくり方(=テーマ)は人によって様々です。自分にとってどのような写真がそれにあたるのか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。自分が大切にしているものが何かに気づけるかもしれません。

要る・要らないという「モノの整理アプローチ」による仕分け

ここまではどちらかというと、写真を目的・用途で分けるというご紹介でした。そうではなく「不要なものを処分する」といったいわゆる「モノの整理」的な考え方からのアプローチもありかと思います。

残す・捨てる・迷い中といったアプローチです。対象が写真なので、その基準はどうしても感覚的になってしまいがちですが、その写真への「好き度」や「思い出の深さ」にランクづけをしていくイメージです(★は好き度ランキングのイメージです)。

  • ★★★★★:特別なお気に入り
  • ★★★★:とっておく
  • ★★★:迷い中
  • ★★:あとで捨てる候補
  • ★:今捨てる(ごみ箱)

といった感じです。

家族か趣味かというより、とにかく「特別お気に入り」の中から飾る写真を選ぶとか、アルバムのようなカタチにするかどうかは後で考える、といった場合、こちらの仕分け方の方が向いているでしょう。

 ラフな仕分けではありますが「おもいでばこ」では、撮影日から写真を探すこともできますし、カレンダーのしぼりこみ機能で、表示するアルバムをしぼりこんでカレンダー表示を行うこともできるので、これくらいの分類で整理を行うことがフィットする方もいらっしゃると思います。

「おもいでばこ」ならではの「非表示」機能

 ここで「おもいでばこ」ならではの整理として、非表示アルバム機能を使うという考え方をご紹介します。
 「おもいでばこ」の非表示アルバム機能は、カレンダーやおもいで散策ではそのアルバムにいれた写真や動画が表示されなくなる機能です。

おもいでばこアルバムを非表示アルバムに指定することでカレンダーやおもいで散策に表示されなくなる。

 たくさん連写をするけど、どの写真も削除するのには抵抗があるといった方は、削除しないまでも、カレンダー上で非表示にすることができます。こうしておけば、カレンダーからスライドショーを利用するといった場合に、かなり見やすくなるはずです。

ですので、例えば「好き度」で分ける仕分けの場合、「迷い中」や「あとで捨てる候補」といった「おもいでばこアルバム」は非表示アルバムに設定しても良いかもしれません。

  • ★★★★★:特別お気に入り
  • ★★★★:とっておく
  • ★★★:迷い中→非表示アルバムに設定する
  • ★★:あとで捨てる候補→非表示アルバムに設定する

自分の推し活写真なども非表示アルバムとして指定しておけば、カレンダーからスライドショーをした時などは出てきません。
 つまり、「パパのスクリーンショット」といったアルバムも、「おもいでばこ」で作れば、それをすべて非表示に設定できるので、個人ごとの非表示アルバムを作るという観点でも仕分けができます。


写真(おもいでばこ)

>パパの写真>パパのスクリーンショット→非表示アルバムに設定する
>ママの写真>ママの推し活写真→非表示アルバムに設定する

Googleフォトへ送り込む写真を入れる仕分けも

 その他「おもいでばこ」ならではの仕分けとしてGoogleフォトへの連携を想定したものも便利です。

 「おもいでばこ」はGoogleフォトと連携することができます。特定のアルバムを指定して、そのアルバムの写真をGoogleフォトに自動でアップロードして保存することができます。

 例えば上述の「パパのスクリーンショット」をGoogleフォトに送るという設定をしておけば、出先で確認することも簡単です。スマホからは自動でGoogleフォトにアップロードせずに、一度おもいでばこに転送して特定の写真だけをGoogleフォトに保存するという使い方はクラウドの節約にもなるので、「Googleフォト送信用」といったおもいでばこアルバムを作っても良いですね。

「おもいでばこ」の振り分けモードを利用してみましょう

 ここまで、写真データの整理や仕分けのコツについて紹介してきました。
 仕分けのポイントがわかったら、自分なりのおもいでばこアルバムを作り、アップデートで搭載された「振り分けモード」を利用してみましょう。

まず、振り分けボタンにアルバムを設定します。振り分け先のアルバムは、リモコンで最大9つまで指定できます。

 この振り分け設定は、いつでも気軽に変更できますから、まずはよく使いそうなおもいでばこアルバムを指定しておくと良いでしょう。9つすべてを最初から設定する必要はありません。

 今回、新搭載された「振り分けモード」では、写真のファイル名やサイズや容量も表示されるので、振り分ける場合の手掛かりになります。また、振り分けモード内で写真の拡大や、動画の再生も行えますので、写真を見返しながら、楽しく振り分けを行っていけます。

 これから初めて仕分けをしてみようという場合、古いデータを順に追って作業するのは気が遠くなりますね。

 そんな時はまずは前月のデータからやってみるとか、最近の旅行をまとめてみるとか、少しずつで良いので、やってみてください。「終わらない・・・」と思うのではなく楽しい写真と戯れているという感覚が良いと思います。

 写真は、その時々で大切さや印象が変わってくる場合も多いです。完璧に仕分けをしようとするのは、実際にとても難しいことです。ですが「お気に入り」をつけているだけでも全く違います。さらに人別になっていたり、何かしらの仕分けをしておけば、探す時の時短にもなりますし、なにより楽しく見返せます。

 ちなみに「おもいでばこ」の振り分けの操作感はトランプを配るような感覚で楽しいです。ご家族で写真を見返しながら「いる」「いらない」などとワイワイ楽しんでみてはいかがでしょうか。

本記事のライター

一般社団法人 写真整理協会
浅川 純子 (監修)
西塔 カオル(執筆)
写真整理協会は、大切な思い出のたくさん詰まった紙やデジタルの写真を、アナログからデジタルへ、デジタルからアナログへと、思いを形にするお手伝いをすることで、ひとりひとりの幸福な体験を写真整理アドバイザーと共に実現します。
ホームページ:https://photokeep.org

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