「いつのまにか」「使いたい時」「しっかり守る」おもいでばこアップデート企画担当者インタビュー

スマートフォンの小さな画面から解放されて、家族でテレビを囲む時間。それは、新しくて懐かしい、特別な瞬間です。写真や動画を通じて、家族の絆を深める体験を提供し続けている「おもいでばこ」。
今回は、製品企画担当の根本にインタビューを行い、おもいでばこの好評の理由と最新アップデートに込められた想いや開発秘話を伺いました。

目次

小さな画面から大きな感動へ ―テレビ画面で楽しむ思い出の共有―

――おもいでばこシリーズ、好調ですね。企画担当の根本さんはその要因をどのように考えていますか?

たくさんのおうちにおもいでばこをお迎えいただけていて、本当に嬉しく思います。好評をいただいている背景には、クラウドに任せきりでいいのだろうか?という、デジタルデータの長期保存への関心の高まりという大きな流れがありますが、実はもう一つ、『スマートフォンから解放される家族の時間』という価値が重要なポイントだと感じています。今、みんながスマートフォンで個別に写真を見る時代だからこそ、家族でテレビを囲んで思い出を共有する。この少し懐かしく、でも新しい体験が、多くの方の心に響いているのではないでしょうか。

――おもいでばこが、テレビでの写真、動画の視聴にこだわる理由はなんでしょうか。

写真や動画を一緒に見ながら会話を楽しむ。その時の体験の質は、どんな画面で見るかで大きく変わってきます。例えば運動会の思い出。一台のスマートフォンをのぞき込む場合と、みんなでソファに座ってテレビの大画面で見る場合では、得られる体験が全く異なります。テレビだからこそ、写真や映像と共に家族の表情が見え、自然な会話が生まれ、その時間自体が新しい思い出として積み重なっていく。私たちは、そんな豊かな体験を提供したいと考えておもいでばこの開発に取り組んできました。

思い出の共有を、もっとスムーズに ―バックグラウンドとりこみ開発秘話―

――今回のおもいでばこのアップデートについてお伺いします。バックグラウンドでの「とりこみ」の対応は、どんな狙いがありましたか?

きっかけは、ユーザー様からの貴重なフィードバックでした。例えば、「子どもがおもいでばこを使っているときに、とりこみ作業で中断させたくない」という声や、「大量の写真をとりこむ際、すぐに見たいのに待ち時間が必要」といった声をいただきました。これらの声から見えてきたのは、おもいでばこを楽しむ体験の中に、どうしても『待つ』という我慢の時間が存在していたという課題です。その課題を解決したい。そんな思いから、バックグラウンドでのとりこみ機能の実現に取り組んだのです。

――なるほど。でも、そういったご要望があったから、すぐに搭載できたというわけではないですよね?

はい。この機能の実現には、おもいでばこ開発チームの懸命な努力がありました。ただ、面白かったのは、バックグラウンドでの取り込みというアイディアを開発チームに伝えた時の反応でした。彼らも「これは実現できたら素晴らしい」と、その価値を心から理解してくれたのです。そこからの開発は、想像以上にスムーズでした。実際、最初の試作版を使った瞬間、「これは本当に良いものができた」と、私自身、一発で惚れ込んでしまいましたね(笑)

電源オンオフの課題をきっかけに広がったバックアップ自動化への取り組み

――根本さんが惚れるというのが、おもいでばこらしいです(笑)。続いて、省電力関連のアップデートについてお聞かせいただけますか。

電源管理の課題は、スマホアプリでのとりこみが主流になってから、ずっと私たちの課題でした。具体的には、とりこみを始める時は『電源を入れますか?』というメッセージで対応できていたのですが、とりこみ完了後も電源が入りっぱなしになってしまう。これは多くのユーザー様から「自動で電源が切れたら良いのに」というご指摘をいただいていた点でした。

今回のアップデートは、まさにこの『自動電源オフ』機能の実現を最優先課題として始まったのです。ただ、開発を進める中で、「自動電源オフだけでは不十分だ」という結論に至り、スマホアプリからのとりこみを抜本的に見直すことにしました。

――抜本的な見直し、ですか。

先ほどお話しした『バックグラウンドでのとりこみ』には、実はもう一つ大きな進化が含まれています。それが、おもいでばこが待機状態でも、そのままとりこみができるようにする改善です。これで、今まで必要だった『電源を入れる』という手順が完全に不要になった訳です。そして、当然ながらとりこみ後に『電源を切る』という作業も必要なくなりました。ユーザーの手間を前後両方で省くことができたわけです。

――なるほど!おもいでばこらしい取り組みですね。

ちょっと話を脱線させたまま続けますが(笑)、この改善は、もう一つの課題を生み出したのです。『電源を切るときにバックアップする』という従来のルールが、実は機能しなくなってしまうのです。「じゃあ、いつバックアップが行われるの?」となりますから。

そこで私たちは、この課題を二つの新機能で解決しました。一つは『バックアップのスケジュール化』。もう一つは『バックアップのバックグラウンド処理』です。これにより、ユーザーの皆様は、より自然な形でバックアップを取れるようになりました。

「いつのまにか」を実現した、新しいバックアップ機能

――バックアップ処理の変更は、そこにつながってくるのですね。

はい。これまで「電源を切ると自動でバックアップします」とご案内してきましたが、実はこれには隠れた課題がありました。『電源を切らないとバックアップされない』という裏側の制約があったのです。

スマートフォンからの写真のとりこみや閲覧が増えてきたことで、結果として、おもいでばこの電源が入ったままになりやすい状況が生まれていました。写真のとりこみや閲覧をスマートフォンで行うこと自体には問題ないのですが、電源を切る機会が自然と減ることで、バックアップが長期間行われないケースが出てきました。

おもいでばこは『テレビ画面で写真を楽しむ』というのが主な特長ではありますが、大切な思い出の安全性を確保することも、同じくらい重要だと考えています。そのため、この課題はそのままにしておけない、解決すべき問題と判断しました。

――つまり、バックアップの方法を使いやすく変える必要があったということですね。実際にユーザーから見て、何がどう変わったのでしょうか?

まず、大きな決断として、『電源を切ったときに自動的にバックアップされる』という、これまでのバックアップ方式を完全に見直しました。長年親しまれてきた機能ではありますが、現在のメインの使い方であるスマホからの利用に適していないと判断したためです。

その代わりに、二つの新機能を導入しました。

一つ目は『バックグラウンドでのバックアップ』です。これまでは「バックアップ中は他の操作ができない」という制約がありましたが、この制限をなくしました。スライドショーを楽しんでいる最中でも、バックアップは裏で着々と進んでいきます。

二つ目は『スケジュール設定によるバックアップ』です。初期設定では毎日午前4時に、新しく増えた写真や動画を自動的にバックアップします。このスケジュールは自由に変更できます。例えば、毎日午後9時などお好みの時間に設定可能です。また、おもいでばこの電源がオンでも待機状態でも、設定した時間になれば自動的にバックアップが実行されます。

――そこまで考えたうえで、スケジュールによるバックアップに変わったのですね。

はい。実は最初、私も悩みました。長年使っていただいているユーザーさんにとって、慣れ親しんだ機能がなくなることへの不安がありました。『電源を切ったときのバックアップも、選択肢の一つとして残せばいいのでは』と考えていました。

しかし、おもいでばこ開発チームから「その機能を残すと、バックアップが行われにくい根本的な課題が解決できませんよ。」という指摘を受けました。結果的に、より良い方向に導いてくれた素晴らしいチームだったと感じています。

さらに、バックアップの変更に合わせて、もう一つ重要な改善も行いました。これまで電源を切ったときに動作していた『Googleフォトへの自動アップロード機能』も、同様にスケジュール方式に変更しました。この変更により、より確実にGoogleフォトへアップロードされるようになり、『アップロードしたはずの写真が見られない』というご不便を解消できると考えています。

「使うときだけオン」のユーザー様に寄り添う、省電力待機モード

――すっかりバックアップの話になってしまいました。「省電力待機」という新しい待機モードが搭載されましたね。

はい。省電力待機モードは、待機時の消費電力を大幅に抑えるために新しく搭載した機能です。背面スイッチでの電源オフに近い状態ですが、本体天面の電源スイッチやリモコンで簡単に電源が入れられる点が異なります。

この機能は、おもいでばこを頻繁には使わないユーザーさんからのご要望がきっかけでした。これまで背面スイッチを使って電源のオンオフをされている方々が、より使いやすくなるよう考えました。

ただし、この省電力待機モード中は、スマートフォンからの操作やバックアップなどの自動処理は行われません。その代わり、次回おもいでばこを起動したときに、スケジュールされていたバックアップなどが自動的に実行されます。シンプルに『使うときだけ電源を入れる』という使い方に最適なモードとお考えください。

――ところで、今回のバージョンアップは現行のPD-2000シリーズ向けとなっています。この点について教えていただけますか?

根本:はい。今回のバージョンアップは、PD-2000シリーズ向けに限定したアップデートとなっています。これには技術的な理由があります。

PD-2000シリーズでは、従来モデルと比べて処理性能が大幅に向上したモデルです。この性能を活かすことで、写真のとりこみやバックアップ、クラウドアップロードといった処理を、バックグラウンドで実行できました。おもいでばこで、写真や動画を楽しんでいる最中でも、それらの処理が裏で着実に進んでいく処理です。従来モデルの能力では、こうした処理の間は他の操作を行う余裕が全くありませんでしたが、この制約をPD-2000のハードウェアのパワフルな性能によって解放することができました。

このバックグラウンド処理の実現により、例えば「スライドショーを楽しみながら、同時にスマートフォンにある写真をとりこむ」「決まった時間にバックアップを自動的に行う」といった新機能が実現できています。従来モデルをお使いの方々には、長年にわたりご愛用いただき、本当に感謝しております。買い替えをご検討の場合は、進化したPD-2000シリーズなら、写真の管理や閲覧がより快適にストレスなく楽しんでいただけると考えています。おもいでばこ間の引越し機能も搭載しています。

写真がきっかけの「嬉しい」を当たり前にしたい

――最後に、おもいでばこをお使いのユーザーの皆さんへメッセージをお願いできますか?

根本:はい。まず、日頃からおもいでばこをご愛用いただいている皆様に、心から感謝申し上げたいと思います。先日実施させていただいたユーザーアンケートでは、多くの方々から貴重なご意見をいただきました。「こうしてほしい」というご要望だけでなく、「こんな風に使っています」という声も数多く届いています。

例えば「家族で食事をしながら、テレビに写真を映して思い出話に花を咲かせています」といった声や、「子どもが自分の動画を見るのを楽しみにしていて、毎日おもいでばこを付けてほしいとせがまれています」といった使い方を聞くと、本当に嬉しく思います。

写真や動画は、単なるデータではなく、大切な思い出そのものです。スマートフォンで撮影することが当たり前となった今、撮影する機会は増えたものの、「写真を見返す機会が減った」という声をよく耳にします。私たちは、おもいでばこを通じて、もっと気軽に、もっと楽しく写真や動画を振り返り、家族や仲間との会話が弾むような環境を作っていきたいと考えています。

今回のバージョンアップも、その想いを形にした一歩に過ぎません。これからも皆様の大切な思い出と共に歩んでいけるよう、改善を重ねてまいります。引き続き、おもいでばこをよろしくお願いいたします。

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