「おもいでばこ」は記憶の引き出しにしたい。コロナ禍を経てあらためて感じた「おもいでばこ」の価値とは。― 製品企画担当インタビュー【後編】

「おもいでばこ」は記憶の引き出しにしたい。コロナ禍を経てあらためて感じた「おもいでばこ」の価値とは。― 製品企画担当インタビュー【後編】

株式会社バッファロー コンシューママーケティング部の根本将幸さんのインタビューの後編です。

前編では、再確認された「おもいでばこ」の魅力やクラウドサービスとの違いについて語ってもらいました。
後編は、「おもいでばこ」新モデルの開発秘話やリニューアルポイントを中心にお届けします。お客様により良い製品を届けるため、「おもいでばこ」開発チームの何年間にもわたる格闘とこだわりから生まれたモデルであるということが伝わってきました。

前編はこちら

「おもいでばこ」にフルリニューアルモデルが4K動画対応で登場


―― 「おもいでばこ」のフルリニューアルモデルが登場しました。改めて、今回の新モデル登場の背景を教えていただけますか?

「おもいでばこ」の従来モデル(PD-1000Sシリーズ)は、ソフトウェアのアップデートを継続的に行ってきたこともあり、現在も多くの皆様に愛されているモデルなのですが、本体のハードウェアの基本となる部分(「プラットフォーム」というそうです)は、2014年の設計です。

当時としても高速に処理が行えるチップを選定していますので、写真を見る機能の部分は現在でも問題ない速度で動作するのですが、2014年から今までの8年ほどの間に、スマートフォンの動画撮影機能がすごく進化し、動画に関しての課題が徐々に大きくなってきました。今回の新モデルの投入はこの進化が大きな理由となっています。

―― スマートフォンの動画はどのように進化したのでしょうか。

当時、一部のハイエンド端末に限られていた4K画質の動画撮影が、今やたいていのスマートフォンで標準的な機能となりました。また、効率が良い記録方式(HEVC形式)が登場したことで、4K画質で撮影しても動画のサイズを従来より抑えることができるようになりました。いまや、実際に4K画質で撮影するかどうかは別にしても、4K画質での動画をスマホで撮影する環境はほぼ整ったといえる状況になっています。

従来の「おもいでばこ」でも、ソフトウェアの工夫によって、iOS端末では動画を変換することで対応してきたのですが、ハードウエアが今の4K動画に正式対応していないというボトルネックが大きくなってきたのです。

そこで今回、これからの数年間を見据えた新しいハードウェアによって、現在のスマホで撮影できる4K動画の世界に対応していこうということで、新モデルのプロジェクトをスタートしました。

「おもいでばこ」ユーザーの声が生かされた新モデル

―― 新モデルのプロジェクトは、いつごろ開始されたのでしょうか。

「スマホ動画の進化」が急速だったので、中途半端な形で製品化してしまうと「こういう4K動画は対応するけど、こういう設定の4K動画は再生不可」みたいなモデルになってしまいます。そうなると一般のお客様からはとても難しくなってしまいます。ハードウエア開発チームともディスカッションを繰り返しながら慎重に検討を進めて、タイミングを見計らいました。

そんな中で、ちょうどいいスペックを備えた「チップ」(※「おもいでばこ」のエンジンにあたる部分)の紹介がありました。このチップを利用して作れば「新しいおもいでばこ」として皆様に受け入れていただけるんじゃないか、と。

2021年の早いうちだったと思います。そのタイミングから、本格的に動き始めました。

―― これまでより、最大容量が2倍となった4TBモデルもラインアップされています。

従来モデルの「おもいでばこ」は、できるかぎりコンパクトに設計したため、本体に内蔵できるハードディスクの厚さに制限があり実際に2TBよりも大容量のハードディスクを搭載できませんでした。容量2TBモデルと同じ厚さのまま、より大容量のハードディスクが登場することをずっと期待していたのですが、いくら待っても登場しませんでした(笑)

その一方、既存のお客様から『「おもいでばこ」の容量が一杯になったんだけれど、もっと大容量のモデルは出ないの?』という声を継続的に頂いていました。なので、ハードウェアを変更するチャンスがあれば、その時はより大容量のハードディスクの搭載ができるようにしようと考えていました。

―― 4TBモデルはどのような方におすすめしたいですか。

写真データの保存だけで4TBを埋めるのはなかなか難しいと思いますが、新モデルが対応した4K撮影動画をそのままたくさん残したい方に、まずおすすめしたいですね。

また、従来の2TBの「おもいでばこ」が一杯になってしまった方にぜひご検討いただきたいです。「データを移して使い続けたい」という場合も、新モデルに新しく搭載した “おもいでばこ間引越し”機能で直接すべてのデータを引越ししても、まるっと2TB分が空いた状態で使い始められます。そういうところでも、ご期待に応えられる新モデルになっているんじゃないかな、と思います。

―― すでに「おもいでばこ」をお持ちの方の買い替えも、視野に入っているのですね。

はい。そもそも、ユーザーの皆様の声から新しいモデルは作られています。SNS上に「おもいでばこ」アンバサダーグループがあり、そこでお使いの「おもいでばこ」の不満な点や、改善してほしい点などをお伺いしました。そのあとに、頂いた意見を並べて「これらのうちで、どれが一番不満ですか」というアンケートの投票も行いました。念入りなリサーチです(笑)

4K動画対応や、より大容量のモデル投入、というのもそういったご要望の一つだったのですが、実は皆様からの改善要望の声がもっとも大きかったのは、「写真や動画の取り込みの速度をもう少し速くできないのか」でした。この課題については、ハードウェアと本体ソフトウェア両方で全精力をつぎこんで取り組むべき課題と設定し、力を入れました。

―― 新モデルではどれくらい「取り込み」の速度はアップしたのでしょうか?

スマートフォンからWi-Fiで送ったり、SDカードを刺したりと、様々な取り込み手段がある「おもいでばこ」ですが、どの方法も大幅に高速化し、短時間で取り込めるようになりました。いちばん速くなったのは、USB接続のハードディスクを前面端子につないでの取り込みで、これまでのモデルより5倍くらいの速度が出ています。

これまで20分かかっていたような取り込み処理が4分以下に短縮されることになりますので、既存モデルのユーザーに皆様には、一番驚いていただけるポイントじゃないかな、と思います。

見た目の変化は小さいけれど、それを支える「うしろ側」は完全に別物


―― パッと見では、本体がすこし大きくなっただけで、あまり変わっていないように見えます。

そう言っていただき、ありがとうございます(笑)
今回のコンセプトはまさにその部分で、一番重視したことは、「おもいでばこ」であることでした。

まず、ユーザーインターフェース(画面や操作感)についてです。
実は、画面デザインや搭載されている機能については、従来モデルの段階で「おもいでばこ」として完成したものとして、ほぼそのまま“変えないこと”を開発コンセプトとしました。

一方で、中身はハードウェア・ソフトウェアともにまったく別物といえる進化となりました。なので、従来モデルからコアとなる「おもいでばこシステム」をそのまま移してきても、絶望するぐらい(笑)まともに動きませんでした。この調整には、非常に苦労しました。

使っていただくお客様から見れば、画面の見た目や、操作感というものは、「より快適になったね」くらいの印象だと思いますが、実はそれを支える「うしろ側」は調整にとどまらず、まるっと作り直しを余儀なくされた部分もたくさんあります。・・・詳しく言えませんが(笑)

―― こっそり、教えていただけるようなエピソードはありませんか?

はい(笑)。例えば、先ほど4TBモデルのお話をしましたが、ハードディスクの大容量化にともなって「細かくデータをたくさん書き込むと、ある時点で突然書き込みが非常に遅くなる」という特性があり、これが大きな壁として立ちふさがりました。全体の処理が高速になった分、そういう状態になるとびっくりするぐらい取り込み速度が遅くなる現象が発生していました。

「ハードディスクがそういう仕様なんだからそういうもの」とする判断も無くはなかったのですが、それでは「おもいでばこ」らしくないので、データ書き込みの方法自体をまるっとハードディスクの特長にあわせて作り直すことで、速度低下が発生しないようにしました。結局は、作り直しによって、作り直す前よりぐっと取り込み速度が速くなり、私も驚きました(笑)

―― 「おもいでばこ」チームの皆様のこだわりがよくわかります。

外観のデザインも、よく見比べていただくと、端子やボタンのレイアウトが変わっていたり、天面に放熱のためのスリットが入っていたりと、違いはけっこうあるんです。ただ、いろんな制約条件がある中でも、『今までの「おもいでばこ」の正統な後継モデル』ということがパッと見てお分かりいただけるようにと思い、今回の外観デザインを採用しました。

―― 4K動画も、テレビで本当にサクサク再生できるんですね。

はい。結構すごいんです。「スマートフォンの4K動画に対応」と表向きアピールしていますが、実際には一眼カメラの最高品質の4K動画ぐらいは再生できるポテンシャルを持っているんです。

ただ、そういう方向で高性能アピールしてしまうと難しい感じになっちゃいそうだったので、「スマートフォンの4K動画なら、どんな機種でも、どんな設定でもちゃんと取り込めて、テレビでキレイにみられます」というカジュアルなご提案としました。実は私自身、この「スマホで撮った4K動画を、4Kテレビで4K画質のまま映す」というそれだけのことを、新「おもいでばこ」なしではどうやったらいいのかわからない(笑)ので、たくさんの方に喜んでいただけるのではと思っています。

加えて、一眼カメラで撮影した4K動画を再生いただくと、さらに息をのむような美しさを感じられます。高性能なカメラをお持ちの方には、撮影した映像の美しさを堪能するといった楽しみ方もしていただければと思います。

―― そういった懐の深さも「おもいでばこ」らしいですね。

今回は、「なんかコレいいね。」という手触りを感じて、長く使っていただけるようになればいいなぁ、と思いながら企画進行を行いました。高性能化の割には、販売価格も極端に高くなったわけではないので、気軽におうちにお迎えいただければ嬉しいです。

家族みんなの、「その年、その時でしかできない体験」を詰め込んでもらえたら

―― 最後に、根本さんが「おもいでばこ」に込めた想いを、あらためてお聞かせください!

コロナ禍も長く続きましたが、でも、その年の思い出とか体験って、その年にしか作れないんですね。だから、その時その時の、その体験を、写真に記録して残していただきたいです。

別に、遠くに旅行をするとかのイベントじゃなくてもいいんです。家族の身近な活動、日常の中で見つけたちょっとした楽しみなんかでも、写真に残しておくことで後で見返せるわけです。

―― マスクをした写真も、10年後くらいに、「あ、この時コロナで大変だったよね」って、なつかしく思い出せそうですね。

そうですね。「コロナで自粛」の期間であっても、その年の人生は、皆さんそれぞれ1年分過ごしているんです。だからそんな中でも、その1年をどう生きたか、過ごしたかというところを、合間合間でも写真とか動画でちょっと残しておいたらいいと思うんですね。

そうしておくことで、あとで、「こういうことがあったね」とか、「大変だったけれど、ちょっと楽しいこともあったね」というふうに、写真をきっかけに思い出せますよね。そしてその場が盛り上がって、あれこれ話が尽きなくなる。

そんなときの「記憶の引き出し」として「おもいでばこ」をご利用いただければと思っています。

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