「とっておきは、大切な人と。」にコンセプトメッセージをリニューアルした新しい「おもいでばこ」PD-1000Sシリーズ。 その「おもいでばこ」のマーケティング、製品企画そして開発を担当する、根本将幸に新モデルの企画・開発に込めた熱い思いを語ってもらいました。
−「おもいでばこ」はバッファローのラインナップの中でも特にユーザーファーストな商品ですね。
根本:スマートフォンやデジタルカメラの普及に伴い、日に何枚もの写真を「撮る」ことが一般的になっています。一方で写真を「見る」文化はまだまだこれから。パソコンに取り込むならまだいい方で、SDカードに入れたままという方も少なくありません。せっかくのおもいでも、見返さなくては宝の持ち腐れですよね。「おもいでばこ」は写真の取り込み、整理、鑑賞といった一連のフローを可能な限りわかりやすく、簡単にすることで、大切なおもいでを家族や友人と振り返り「わかちあう」ことを身近にする商品です。写真、動画を問わずあらゆる撮影データを「おもいでばこ」に取り込んでおけば、テレビでいつでもすぐに見られるようになります。
今のようにPCが発達する以前、多くの家庭では撮影した写真をプリントし、1枚ずつアルバムに大切に貼り、折に触れ振り返るという習慣がありました。そうした写真を通したおもいでの振り返り、家族や友人とのおもいでのわかちあいをデジタル時代に適した形でサポートする。それが「おもいでばこ」のコンセプトです。いわば「デジタル時代の写真アルバム」ですね。おじいさんやおばあさん、ひいてはちいさいお子さままで、幅広い年代の方が直感的に操作できるインターフェースを採用しており、専門性の高いパソコン周辺機器を主力とするバッファローとしては異色とも言える間口の広い商品となっています。
−新モデル「PD-1000Sシリーズ」は、2015年に発売された「PD-1000シリーズ」をブラッシュアップした機種ですね。どのような点が改良されているのでしょうか。
根本:じつは2015年に先代の「PD-1000シリーズ」を発売して以来、現在までに7度ものソフトウェアアップデートを実施しています。「クイック編集機能」や「USBメモリーの消去機能」の追加をはじめ、より快適に「おもいでばこ」を利用するためのさまざまな改善がなされているんです。今回の新商品「PD-1000Sシリーズ」では、そうしたソフトウェアのアップデートだけではまかないきれない機能と性能の向上を果たしています。
まず大きな改良点は11acに対応したことで2.4GHz帯に加えて5GHz帯の電波を利用できるようになったことです。さまざまな機器に利用され電波の混み合った2.4GHz帯とちがい、5GHz帯は一般に無線LAN専用とも言える電波。11acの規格が持つ高速な転送速度と相まってスムーズで安定した通信が可能となりました。
また、今回新たに「かんたんネットワーク機能」を追加しました。デジタル機器やネットワークに疎い方でも、画面の指示に沿って操作をしていくだけで、ネットワーク設定が完了しスマートフォンとの連携が楽しめるというものです。「おもいでばこ」は老若男女問わず誰もがかんたんに利用できなくてはいけません。年配の方でもお子さまでも設定を行えるよう、画面の指示も専門用語を極力なくし、わかりやすい表現を心がけました。
さらに今回の「PD-1000Sシリーズ」ではハードディスクリカバリー機能も搭載しています。突然の停電や意図せず電源ケーブルを引き抜いてしまったときなど、「おもいでばこ」自らがハードディスクの状態をセルフチェックし、破損したデータの修復を行うというものです。「おもいでばこ」に入れられているデータはお客さまの「おもいで」そのものですから、データ保護は重要な機能のひとつです。
−今回新たに追加された「クリップ機能」とはどのようなものですか。
根本:「おもいでばこ」に貯められたたくさんの写真のうち、例えば指定の日や月、あるいはまとめたアルバム単位で、スマートフォンにダウンロードして外出先に持ち出すことができる機能です。本体のカメラロールとは別に保存されますので、アルバムの鑑賞中に関係のない写真が表示されてしまうこともありません。また、保存されるのは「おもいでばこ」に貯められているオリジナルデータより小容量の高解像度サムネイルなので、スマートフォンで表示するのに十分な解像度を持ちつつも高速に表示することが可能です。「おもいでばこ」からスマートフォンへの転送も、11acの無線LANが持つ性能を最大限に活かしてストレスのない速度を実現しています。クリップ機能は「おもいでばこ」アプリのバージョンアップ※で従来モデルでもご利用いただけます。
−帰省の際、実家の祖父母にお子さまの写真を見せてあげたいご両親などに喜ばれる機能ですね。
根本:この機能は、これまで「おもいでばこ」をご購入いただき、おもいでのわかちあいを楽しまれているお客様からの「おもいでばこに貯めてある写真を外出先でも見たい」という要望に応えたものなんです。「おもいでばこ」はとてもありがたいことに「おもいでをわかちあう」というコンセプトに共感してくださっているたくさんの「ファン」がいらっしゃいます。そうした方々がSNSやブログを通してどのように「おもいでばこ」を利用しているか、また新しい機種にどのような機能を盛り込んでほしいかを発信してくださっています。我々はそうした要望のひとつひとつを汲み取って「おもいでばこ」のブラッシュアップに役立てています。2011年の初代「おもいでばこ」の発売以来続いているこのお客様との関係があるからこそ、我々開発チームも「きっと喜んでもらえる」と確信を持って開発に取り組み、世に出すことができるんですよ。
※iOS版「おもいでばこ」アプリVer.6.0以降が必要です。Android版は後日対応予定。
根本将幸 新規事業部 おもいでばこ係 係長
季節を問わずフィールドに繰り出すアウトドア好き。大自然のなか、家族と過ごす時間を写真に残すことが何よりの喜び。自身が家族や友人と思い出をわかちあう経験が「おもいでばこ」の作りこみとこだわりにつながっている。
▼デジタルフォト・アルバム「おもいでばこ」